ビルバオの移籍市場は、他クラブとはルールが違います。獲得できるのはバスク地方にルーツを持つ選手だけ。だから夏の主役は「誰を買うか」ではなく、「誰が出て行くか」と「誰を引き留めるか」です。2026年夏もその構図どおりに動いています。
退団:中盤とFWの整理が進んだ
今夏に退団が確定した主な選手は5人。ベテランから若手まで、中盤と前線の顔ぶれが入れ替わりました。
| 選手 | ポジション | 移籍先 | 条件・日付 |
|---|---|---|---|
| ミケル・ベスガ | MF | アルメリア | フリー(8月2日) |
| ウナイ・ゴメス | MF | ウディネーゼ | 450万ユーロ(7月8日) |
| ウルコ・イセタ | FW | カディス | 7月11日 |
| イボン・サンチェス | MF | カディス | 7月7日 |
| ジョン・デ・ルイス | DF | キフィシア(ギリシャ) | フリー(7月5日) |
目を引くのはウナイ・ゴメスのウディネーゼ行きです。レサマ育ちの選手を有償で手放すのは、序列が固まったという新体制の意思表示に近い。ベスガは33歳での退団で、長くアンカーを務めた功労者がいなくなったぶん、中盤の底はハウレギサール中心の作り直しが必要になりました。
残留・契約延長:土台は守った
- ユーリ・ベルチチェ(DF):2027年6月まで契約延長(6月19日)。左サイドバックのベテランが1年残留。
- アレハンドロ・レゴ(MF):4シーズンの契約延長が正式発表。他クラブからより高い給与のオファーがあったと報じられる中での残留です。
- イェライ・アルバレス(DF):クラブが合意成立を発表。長期離脱から戻ったセンターバックが戦力に復帰します。
加えて、ロスパン先のアル・ガラファが買い取りオプション(1100万ユーロ)を行使しなかったアルバロ・ジャロが復帰しました。移籍金ではクラブ史上級の投資だった選手のやり直しの機会で、テルジッチも本人に直接「自分を信じて働き続けろ」と伝えたとジャロ自身が明かしています。
くすぶる3つの噂
1. ラポルテとバルセロナ・サウジ
W杯優勝で株を上げたラポルテには、バルセロナの関心とサウジアラビア勢の競合が報じられています。テルジッチはプレシーズン中の質問に対し、昨夏のニコ騒動を引き合いに「新しい話ではない。名前が変わっただけ」とかわしました。売却不可と明言したとまでは受け取れませんが、放出を前提にしていない口ぶりです。
2. ニコ・ウィリアムズとマンチェスター・シティ
ニコの代理人サイドの動向をマンチェスター・シティが注視していると英メディアが報じています。ただしニコは2025年夏にバルセロナ行きを蹴って長期契約を結んだばかりで、W杯決勝のアシストで市場価値はさらに上がりました。契約解除金を満額で払うクラブが現れない限り、動く理由が見当たりません。
3. アギレサバラとセビージャ
バレンシアへロスパン中のGKフレン・アギレサバラには、GK陣の再編を進めるセビージャが関心を寄せていると報じられています。シモンの控えに戻すのか、送り出すのか。GKの序列整理は今後の論点です。
獲得候補:名前が挙がる2人
補強の噂も、対象は当然バスク圏の選手に限られます。名前が出ているのはジローナのMFイバン・マルティン(ビトリア出身)と、レアル・ソシエダの18歳ウインガー、アレックス・マルチャルの2人。マルチャルは現行契約の残りが短く、ライバルクラブの有望株を直接引き抜く形になるため、成立すればダービーの火種になります。
この市場をどう受け止めるか
売上はウナイ・ゴメスの450万ユーロのみ、大型補強なし。地味に映りますが、ビルバオの夏としては健全な部類です。ラポルテとニコという2枚看板を守り切れるかどうかで、この移籍市場の評価は決まります。市場は8月末まで開いているので、動きがあれば追記します。